おふぃま新聞 9月号
9月のおふぃま新聞は以下の内容でお送りします。
1.厚労省が運送業への監督指導結果を公表
厚生労働省が、全国の労働局や労働基準監督署が、平成29年にトラック、バス、タクシーなどの自動車運転者を使用する事業場に対して行った監督指導や送検等の状況についての取りまとめ結果を公表しました。
監督指導を実施した事業場はトラックやバス、タクシーなど5,436事業場で、このうち4,564カ所(84.0%)で労働基準関係法令違反が見つかりました。
主な労働基準関係法令違反事項は、違法残業などの長時間労働が3,162カ所(58.2%)と最も多く、次いで割増賃金の支払いについてのものが1,171カ所(21.5%)、休日に関するものが248カ所(4.6%)ありました。
2.ハローワークにおける求人票の記載内容と実際の労働条件の相違に係る申出状況
厚生労働省は、平成29年度のハローワークにおける求人票の記載内容と実際の労働条件の相違に係る申出等の件数を取りまとめました。平成29年度の申出等の件数は8,507件で、申出等の内容では、「賃金に関すること」が最も多く、次いで「就業時間に関すること」「職種・仕事の内容に関すること」と続いています。
ハローワークでは、こうした求人票の記載内容と実際の労働条件の相違に関する相談を最寄りのハローワークのほか、「ハローワーク求人ホットライン(求職者・就業者専用)」で受け付けています。相談を受けると、求人票を受理したハローワークと連携して、迅速に事実確認を行うほか、法違反のおそれなどがある場合には、当該求人の職業紹介の一時保留や求人の取消しを実施しています。
3.従業員の健康情報取扱規程の策定が必要になります
働き方改革法成立を受け、主に労働時間に関する改正が話題になっています。労働安全衛生法に第104条として「心身の状態に関する情報の取扱い」という規定が新設され、会社に従業員の健康情報取扱規程策定が義務づけられます。
この健康情報取扱規程策定義務については、平成31年4月1日施行と、比較的準備期間に余裕がありますが、その分見落としがちとも言えます。心配だという場合は、その他の改正と併せて行う就業規則等の見直しと一緒に準備を進められないか、専門家に相談してみるのもよいでしょう。
4.これからの時期に注意したい「残暑バテ」とその対策
9月に入れば、だんだんと過ごしやすい日も増えてきます。けれど油断は禁物! これからの時期は、一般に「残暑バテ」と呼ばれる体調不良が生じることも多く、注意が必要です。
残暑バテの主な症状としては、疲れやすさ・疲労感(だるさ)、めまい・立ちくらみ、胃腸の不調、食欲不振、微熱等が挙げられますが、こうした症状が8月下旬から9月末頃まで続きます。だるさ等が長引くことにより仕事に影響が出ることも多いので、予防と早めの対策を呼びかけたいものです。
5.最低賃金が3年連続で3%増加へ
厚生労働省の中央最低賃金審議会は、今年(平成30年)度の地域別最低賃金額改定の目安を公表しました。
今年度の引上げ額の全国加重平均は26円(昨年度25円)、改定額の全国加重平均額は目安通りに上がれば874円(同848円)となります。また、引上げ率は3.1%で、3年連続3%以上の引上げを確保し、政府が昨年策定した「働き方改革実行計画」に沿う形になります。
6.労働時間の把握、来春より管理職にも義務化
来年4月から、いわゆる「管理職」の労働時間把握と、その記録の保存が企業に義務づけられると報道されました(日経新聞7月31日付)。
現状でも、企業はタイムカードやパソコンなど「客観的な方法」により労働者の労働時間を記録し、3年間分保存しなければなりません(厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」)。
この範囲に、新たに管理職も含まれるとのことです(取締役ら経営陣は対象外)。
コラム
日中は、暑〜い日差しがギラギラと照りつけていますが、夜になると、少しは風が動くようで、クーラーを切ることができます。
秋はいつ夜にやってくるのでしょうか。
「働き方改革法案」が成立し、来年の4月1日から、年次有給化5日取得させることが義務化されます。
日本の年次有給休暇消化率は、企業規模別にみると、従業員1,000人以上(55.3%)、300〜999人(48%)、100〜299人(46.5%)、30〜99人(43.8%)と、企業規模が小さくなると取りにくい傾向がみられますが、それでも40%の数字は、思ったより取得しているのですね。
ちなみに、運送業・郵便業の取得率は49.5%、卸売・小売業、34.9%です。
会社の状況を見ていくと、年次有給休暇をしっかり消化する人と、消化しない人は全く消化しないと二極化が見られます。
今までは申請しなければそのままでしたが、来年の4月からは、会社に「消化させる義務」が課せられました。
年次有給休暇の目的を、「病気になった時のため有給休暇⇒リフレッシュするための有給休暇」と意識を変えるようにしていきましょう。
by office-matsumoto | 2018-09-01