オフィス松本:業務案内>健康管理(腰痛・SAS)

ドライバーの職業病  腰痛

運転者は長時間の椅座位姿勢をとるだけでなく、腰部に振動が加わること等により腰に負担がかかり腰痛が発生しやすくなります。
又、荷物の積卸し作業等で無理な姿勢をとり、ぎっくり腰や椎間板ヘルニアになることがあります。腰痛はドライバーの職業病ともいえます。

腰痛と労災

労災の相談で多いのが腰痛です。しかし、腰痛は日常生活でもなることがあり労災との区別が難しいと言われます。
「いつ・どこで・何をして(日常的な動作でなく業務上であることが必要)」が比較的はっきりするぎっくり腰などは、労災として認められやすいといえます。
しかし、仕事で腰を痛め我慢を続けているうちに症状が悪化し医者にかかるような場合は労災と認めてもらうのは難しいようです。
会社には、労働者に対する安全配慮義務、労働災害の防止措置を講じる義務があり、腰痛予防に前向きに取り組む必要が有ります。

腰痛予防

厚生労働省から『職場における腰痛予防対策の推進について』(平成6年9月6日基発第547号)が出ています。指針は、一般的な腰痛予防対策を示した上で、腰痛の出やすい業務として5つを特定し作業別の対策を示しています。
「長時間の車両運転」業務はその一つであり、腰痛予防対策として次のような具体的な対策が示されています。

  • (1)座席の改善
  • (2)小休止・休息
  • (3)車両運転直後の重量物取扱注意
  • (4)構内レイアウトの改善
  • (5)腰部保護ベルト、腹帯等の着用

特定5業務には、新しく当該業務に就く際と半年に1回の「腰痛健康診断」の実施が規定されています。
定期的に「腰痛健康診断」を実施し記録することは、腰痛を予防し、また腰痛を発症した際には、その腰痛が慢性的なものか、業務に起因したものであるか否かを判断する一助となるでしょう。


睡眠時無呼吸症候群

睡眠時間を十分取っているにも係らず、運転中に突然睡魔に襲われ、居眠り運転による重大事故が起きる等、運転業務従事者にとって睡眠時無呼吸症候群(SAS)は大変危険です。
しかし、ドライバー自身が、“疲れていて眠くなったのかなぁ〜”程度の認識しかなく、本人が自覚しづらい病気であることです。
主な原因は、“肥満”により、脂肪が気道や舌に沈着することによって気道を狭め、空気の通り道である上気道が閉じてしまうことによって無呼吸状態が生じます。

昨今、睡眠時無呼吸症候群=SAS(Sleep Apnea Syndrome)に関する認識やその危険性への理解が広がり、NASVAが実施している運転者適正診断でもSASのコメントが追加されたように、運輸事業者でもSASスクリーニング検査を積極的に実施し、検査後のアフターケアーを重視する傾向になってきました。

SASに関し、ドライバーへの啓蒙を図ると共に、是非一度、簡易SAS診断アンケートを実施されることをお勧めいたします。


メタボリックシンドローム

内臓脂肪型肥満に加えて、高血糖・高血圧・脂質異常のいずれか2つ以上を併せ持った状態を内臓脂肪症候群と言います。
このような状態が慢性化すると、糖尿病・高血圧症・高脂血症といった生活習慣病を併発しやすくなってしまい、動脈硬化が急速に進行します。
放置したり適切な処置を怠ったりすると、心筋梗塞・狭心症等の虚血性心疾患や脳出血・脳梗塞等の脳卒中、或は糖尿病(悪化すると合併症失明や要透析に至る)といった命に係わる病気を急速に招きます。

心臓病の場合、危険因子がない人の危険度を1とすると、危険因子を1つ持っている場合は5.1倍、2つ持っている場合は5.8倍と危険度は急激に上昇するとのデータもあります。


生活習慣の改善

疾病が交通事故の要因となることを理解し、健康診断結果に基づく「生活習慣の改善」等の適切な健康管理が大切であることを認識し、適切な健康管理をすることが必要です。

  • (1)可能な限り一定の時間に就寝し、睡眠は7〜8時間とる。
  • (2)居眠りが時折出る人は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の簡易検査を受ける。
  • (3)バランスの良い食事を規則正しく摂る。
  • (4)過度の喫煙、深酒をしない。
  • (5)普段から出来るだけ身体を動かす。
  • (6)休日は趣味等を積極的に活かし、ストレスの解消を図る。
  • (7)中高年ドライバーは、加齢による視力等の心身機能低下に注意する。

健康診断

労働基準法は労働者の健康や安全のために健康診断を義務づけています。労働基準法ならびに労働安全衛生法によって一般健康診断・特殊健康診断などが定められてします。
特殊健康診断は、有害な化学物質を扱ったり、深夜労働が基本となる職業の場合で、定期検診の最低実施頻度が6ヵ月以内に短縮されたり、基本的な健康診断に無い項目の検査を行うことになります。

健康診断の対象労働者

まず、正規雇用されている労働者、つまり正社員については全員が健康診断実施義務の対象になります。
また、契約社員などの場合は契約の更新によって1年以上の雇用が見込まれる場合、アルバイトやパートとして働いている場合でも1週間の労働時間が社員の4分の3以上あるときは、社員と同様に健康診断の対象になります。

特定健康診断が必要な深夜労働

深夜業とは、午後10時から翌朝5時迄の間に働くことをいいます。勤務時間の一部がこの時間帯にかかる場合は深夜業務となりますので、交代制の勤務や残業なども含まれます。
常時使用される労働者であって、当該健康診断を受けた日前6ヶ月間を平均して1ヶ月に4回以上で6ヶ月間で24回以上の深夜業に従事した人が、6ヶ月に1回(年に2回)の健康診断が必要になります。健康診断項目は通常の定期健康診断と同じ項目です。

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