飲酒運転防止
「飲酒運転防止対策マニュアル」・・全日本トラック協会作成
- 1.従業員及び家族に対する積極的な指導・啓蒙活動の実施(事業者・運行管理者等)
- 2.飲酒に関する規制の強化(事業者・運行管理者等)
- 3.運転者の飲酒状況等に係る実態の把握(事業者・運行管理者等)
- 4.厳正な点呼の実施(運行管理者等)
- 5.アルコール検知器の使用の徹底等(運行管理者等)
- (1)点呼執行体制の強化
- 運行管理者と補助者との連携体制の確立による厳正な点呼の実施
- 点呼執行場所の照明等の環境の改善
- (2)乗務開始前の点呼
- アルコール検知器による酒気帯びの有無の確認
- 対面距離を見直し、顔色・呼気の臭い・応答の声の調子等目視による確認
- ドライバーからの自主申告の徹底(飲酒の有無・量・飲酒後経過時間・睡眠状況)
- 出先電話点呼時には、ドライバーにアルコール検知器を携行させ、又は、自動車に設置されているアルコール検知器を使用させ、酒気の有無の測定及び結果を報告させることの徹底
- (3)酒気が確認された者の乗務禁止
- 「酒気を帯びた状態」は、道路交通法施行令第44条の3に規定する呼気中のアルコール濃度0.15mg/lであるか否かを問わない。
- 4)乗務終了後の点呼
- アルコール検知器による酒気帯びの有無の確認
- 対面による顔色・呼気の臭い・応答の声の調子等目視による確認
- (5)酒気が確認された者への社内規定に基づく厳正な処分
- (1)点呼執行体制の強化
- 6.情報提供及び理解を求める為の措置(事業者等)
飲酒運転の行政処分
飲酒運転に関する道路交通法施行例
運転者の状況 | 改正前 | 改正後 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
違反点 | 処分内容 | 欠格・ 停止期間 |
違反点 | 処分内容 | 欠格・ 停止期間 |
||
酒酔い運転 | 25点 | 免許取消 | 2年 | 35点 | 免許取消 | 3年 | |
酒気帯び運転 | 0.25以上 | 13点 | 免許停止 | 90日 | 25点 | 免許取消 | 2年 |
0.15以上 0.25未満 |
6点 | 免許停止 | 30日 | 13点 | 免許停止 | 90日 |
改正道路交通法
酒酔い | 5年以下の懲役又は100万円以下の罰金 | |
---|---|---|
酒気帯び | 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金 | |
飲酒検査拒否 | 3月以下の懲役又は50万円以下の罰金 | |
救護義務違反(ひき逃げ) | 10年以下の懲役又は100万円以下の罰金 | |
免許欠格期間 (※未施行 2年以内に施行予定) |
最長10年 | |
飲酒運転をするおそれのある者に 対する「車両の提供」「下命」「容認」 |
運転者が酒酔い | 5年以下の懲役又は100万円以下の罰金 |
運転者が酒気帯び | 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金 | |
飲酒運転をするおそれのある者に 対する「酒類の提供」 |
運転者が酒酔い | 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金 |
運転者が酒気帯び | 2年以下の懲役又は30万円以下の罰金 | |
酒気を帯びた者が運転する車両 への「同乗」(自己の運送を要求) |
運転者が酒酔い | 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金 |
運転者が酒気帯び | 2年以下の懲役又は30万円以下の罰金 |
自動車運転過失致死傷罪
業務上過失致死傷罪 | 5年以下の懲役もしくは禁固又は100万円以下の罰金 |
---|---|
自動車運転過失致死傷罪 | 7年以下の懲役もしくは禁固又は100万円以下の罰金 |
危険運転致死傷罪
自動車運転過失致死傷罪が適用 | 危険運転致死傷罪が適用 | |
---|---|---|
飲酒運転で事故を起こし、 人を負傷させた場合 |
7年以下の懲役 もしくは禁固又は100万円以下の罰金 |
15年以下の懲役 |
飲酒運転で事故を起こし、 人を死亡させた場合 |
1年以上20年以下の懲役 |
アルコールの基礎知識
アルコールが体内に入ると、肝臓で分解され、「アセトアルデヒド」という物質に変わります。アセトアルデヒドは、頭痛や吐き気を引き起こし、発ガン性もあると言われる物質です。このアセトアルデヒドを分解する酵素の働き具合によって、アルコールの体質が決まります。
(1)「ぜんぜん飲めない」族・・飲酒すると真っ赤になるタイプです。お酒を飲むと、顔が真っ赤になり、胸がドキドキ、吐き気に襲われ自分からお酒を飲みたいとは思いません。
(2)「ホントは飲めない」族・・飲酒すると、ほんのりピンク色になるお酒に弱いタイプです。付き合いで飲むうちにけっこう飲めるようになる人もいますが、アセトアルデヒドの分解能力は高くはないため、毎日の飲酒で食道がんやすい臓がんになりやすいリスクがあります。
(3)「飲みすぎ注意!」族・・
飲酒しても赤くならない人たちです。アセトアルデヒドの分解能力が高く気持ちよく酔えるので、飲酒が習慣化しやすくアルコール依存症になる危険があります。
「自分は酔っていない!」「このぐらいなら大丈夫!」と思いやすく、飲酒運転のリスクが高いタイプです。
節度ある適度な飲酒
厚生労働省の結構日本21では、「節度ある適度な飲酒」の目安が示されています。
それは、純アルコール20g=1単位です。
1単位のアルコールを処理にかかる時間 = 4時間
肝臓でのアルコールの分解速度は、体格・体重・体質などの個人差や性別によりますが、1単位のアルコールを分解するのに4時間かかると言われています。
もし、3単位を節酒すれば、約半日体内からアルコールが抜けないことになります。
1単位のアルコール/ 純アルコール量 = 酒の量 (ml)× アルコール度数(%) × 比重(0.8)
アルコール飲料 | 度数 | 目安 | お酒の量 |
---|---|---|---|
ビール | 5度 | 中瓶 1本 | 500ml |
日本酒 | 15度 | 1合 | 180ml |
焼酎 | 25度 | コップ1/2 | 100ml |
ウィスキー | 43度 | ダブル1杯 | 60ml |
ワイン | 14度 | ワイングラス2杯 | 180ml |
缶チューハイ | 5度 | 1.5缶 | 520ml |