おふぃま新聞 3月号
3月のおふぃま新聞は以下の内容でお送りします。
1.民間版の労災保険「使用者賠償責任保険」とは?
「使用者賠償責任保険」は、労災認定された事案について、企業の安全配慮義務違反などを問われ法律上の損害賠償責任を負った場合に備えるものです。
保険料と自社の業種や規模、これまでの労働災害の発生状況等から考えられるリスクを勘案して加入を検討してみることが、今後のリスク回避のための一助となるかもしれません。
2.重要改正事項目白押し! 雇用保険法等の改正で実務はどう変わる?
「雇用保険法等の一部を改正する法律案」が1月29日に国会に上程されました。これにより、雇用保険法、男女雇用機会均等法、育児・介護休業法等の改正が予定されています。
失業等給付に係る雇用保険料率の引下げ(施行:平成28年4月1日)、育児休業・介護休業等に係る制度の見直し、高年齢者の希望に応じた多様な就業機会の確保および就労環境の整備等も予定されています。
3.厚労省が発表! 非正規労働者の「正社員転換・待遇改善プラン」
厚生労働省は1月28日、派遣や契約社員など非正規労働者の「正社員転換・待遇改善プラン」を発表しました。
企業への助成金の拡充・新設や職業訓練、学校や地方自治体との連携などを通じて、正社員の仕事がない等でやむなく非正規で働く人の割合を2016年度以降の5年間で大幅に減らしていくことを目指しています。
国が非正規の正社員化や待遇改善を目指す包括的な計画を出すのは初めてで、政府は既存の制度も含め、2016年度以降に順次対策を強化していく方針です。
4.「ストレスチェック制度」で気を付けたい労基署への報告
厚生労働省ホームページには「ストレスチェック制度Q&A」が掲載され、実施に際して迷いやすい点などがまとめられています。
最近の更新では「労働基準監督署への報告」に関する項目が多く追加されました。
(Q19-8)全社員を対象に、年に複数回ストレスチェックを実施している場合の報告について:(A)実施の都度、複数回報告していただく必要はなく、1回分について報告していただくようお願いします。
(Q19-9)部署ごとに実施時期を分けて、年に複数回ストレスチェックを実施している場合の報告について:(A)1年分をまとめて、会社全体の実施結果について報告していただく必要があります。「検査実施年月」の欄には、報告日に最も近い検査実施年月を記載いただくようお願いします。
5.「がん患者の就労支援」について国が指針を策定
厚生労働省は、がん患者が仕事と治療を両立できるよう、医師が仕事内容を把握し、「短時間勤務制度」や「休暇制度」などについて企業側に配慮を求める仕組み作りを検討するそうです。
がんは一度回復しても、通院などが長くなったりすることから、完全な職場復帰は難しい病気です。今までは、医療機関ががん患者から相談を受けても手を打つことが難しい状況でしたが、国がこの問題に積極的に関与することにより、少しずつ解消に向けて動き出すこととなります。
企業には今後、就労支援のための体制づくりや規定の整備が求められそうです。
6.4月から拡充される「ひとり親就労支援策」の概要
厚生労働省は今年4月から「ひとり親家庭」の父または母が正社員として働けるよう経済的支援を拡充していくことを明らかにしました。就職するための教育訓練や、ひとり親を雇用する企業への資金補助を増やすことが想定されているようです。
厚生労働省はこのほかにも子どもの教育支援策として、高校や大学の授業料に充てる貸付けの上限額をこれまでの1.5倍に引き上げます。
コラム
協会けんぽの平成28年度の保険料率が改定されます。
東京支部(9.97⇒9.96)千葉支部(9.97⇒9.93)神奈川支部(9.98⇒9.97)福島支部(9.92⇒9.90)茨城支部(9.92)と、引下げられました。
保険料率は平成28年3月分(4月納付)から改定となります。
健康保険料率は引下げられましたが、標準報酬等級が4月(5月納付)から4等級追加され、現在の最高等級121万円から139万円に引き上げられます。
給与計算で社会保険料の控除タイミングに注意してください。
なお、介護保険料率は1.58と変更ありません。
by office-matsumoto | 2016-03-01