おふぃま新聞 6月号
6月のおふぃま新聞は以下の内容でお送りします。
1.「年金制度」抜本改正に関する動向
現在開会中の国会に「年金機能強化法案」(公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案)が提出され、これから審議されていきます。
ここでは、この法案の内容を簡単にご紹介します。
- (1)「受給資格期間の短縮」、「低所得者等への年金額の加算」、「高所得者の年金額の調整」
- (2)「基礎年金国庫負担2分の1」が恒久化される特定年度を平成26年度と定める。
- (3)平成24年度に発行する交付国債の償還に関する事項を定める。
- (4)短時間労働者に対する厚生年金・健康保険の適用拡大を行う。
- (5)厚生年金・健康保険等について、次世代育成支援のため、産休期間中の保険料免除を行う。
- (6)遺族基礎年金の父子家庭への支給を行う。
2.電子版「ねんきん定期便」がスタート
すべての年金加入者(約6,600万人)を対象とした電子版の「ねんきん定期便」(通称:ねんきんネット)が4月2日にスタートしました。
この「ねんきんネット」により、自分の年金記録を確認する人が今後は増えていくものと思われます。
3.最近の労働関係の地裁裁判例から
パワハラ被害により退職せざるを得なくなったとして、50代の社員が銀行と上司に対して損害賠償(約4,900万円)を求めていましたが、岡山地裁は社員の精神的苦痛を認め、慰謝料など110万円の支払いを命じました。
2007年3月頃、仕事上でミスをした社員に対して「辞めてしまえ!」などと当時の上司が強い言動で叱責するなどし、この社員は2009年に辞表を提出して退職しました。
裁判官は「上司の叱責は病気療養から復帰直後の社員にとって精神的に厳しく、パワハラに該当する」と認定しました。
4.「職場のパワーハラスメント」の予防・解決
職場の「いじめ・嫌がらせ」、「パワハラ」は、労働者の尊厳や人格を侵害する許されない行為であり、早急に予防や解決に取り組むことが必要な課題です。
厚生労働省の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ」から、問題の予防・解決に向けた提言が発表されました。
コラム
6月27日 神奈川県で『助成金活用セミナー』を行います。
中安金(中小企業緊急雇用安定助成金)をメインに、定年引き上げ助成金や職場意識改善助成金をお話します。
定年引上げの助成金には、いくつかのコースがあります。
65歳までの希望者全員雇用が義務付けられる前に、助成金を活用して定年を60歳から65歳にする会社が増えているようです。
また、労働時間の短縮等に取り組む計画を策定し実施する会社に、2年で200万円の助成金(職場意識改善助成金)があります。
こちらは、4/1〜7/末の受付期間で、予算が無くなったら終わりと言う人気の助成金です。
労働時間の短縮・改善には、まず実態を知ることが重要ですが、実態調査し分析する費用にも助成金が使えます。
この助成金を活用して、働きやすい職場作りを計画してはいかがでしょうか。
by office-matsumoto | 2012-06-01