労働基準監督『官』のお仕事
ある日、突然やってくるのが労働基準監督署の『労働基準監督官』。
彼らは、労働基準関係法令に基づいて、あらゆる事業場に立ち入り、事業主に法に定める基準を遵守させることにより、労働条件の確保・向上、労働者の安全や健康の確保をはかります。また、不幸にして労働災害にあわれた方に対しては労災補償の業務を行います。
具体的な業務は次の通りです。
『臨検監督』
労働基準法、労働安全衛生法などの法律に基づいて、定期的あるいは労働者からの相談を契機として、工場や事業場に立ち入り、機械・設備や帳簿などを検査して労働条件について調査をおこないます。
法律違反が認められた場合には、事業主に改善を指導するほか、危険の高い機械・設備などについてはその場で使用停止を命ずる行政処分を行います。
『司法警察事務』
労働基準法、労働安全衛生法などには罰則が設けられており、事業主などがこれらの法律に違反し、度重なる指導にもかかわらず是正を行わないと場合など重大または悪質な事案については、刑事訴訟法に基づき、特別司法警察官として取り調べ等の任意捜査や捜索・差押、逮捕などの強制捜査を行い、検察庁に送検します。
『安全衛生業務』
労働安全衛生法等に基づき、事業場における安全衛生管理体制の確立、労働者の危険または健康障害を防止するための措置等を講じるよう指導、情報提供等を行います。
また、ボイラー、クレーン等の危険な機械については、製造許可や検査を課したり、労働者に重大な健康障害を生ずる科学物質等については規制も行います。
『労災補償業務』
労働者災害補償保険法に基づき、労働者の業務上の事由又は通勤による負傷、疾病、障害、死亡等に対して、請求された事案ごとに被災者や事業場関係者からの聞き取り、事実関係を把握するための調査、必要に応じて主治医や専門家から意見を求めたうえで審査を行い、保険給付を行います。
by office-matsumoto | 2010-11-03