最難関の資産管理、車両管理を極める!第15回
〜ドライバーの時間管理 1
社用車管理は、「社用車」そのものだけでなく、運転者の管理も非常に重要です。
運転者の労働時間が長くなると、それは疲労につながり注意力や集中力を失わせ、思わぬ事故を起こすことにもなりかねません。
そこで、自動車の運転業務に携わる労働者の労働時間については、「改善基準告示」により運転時間、休憩時間などが細かく定められています。
ドライバーの運転時間
労働基準法第32条に、「1日8時間、週40時間を超えて労働させてはならない」とあります。
また、第37条に、「週に1日、4週4日の休日を与えなくてはいけない」とあります。これが労働時間の基本です。これに違反すれば、6か月以下の懲役、30万円以下の罰金が科されます。
ただし、労使協定を締結し行政に届出ることにより、限度時間の範囲(月45時間、年360時間)内で労働時間を延長することができます。
しかし、「自動車の運転の業務」は、限度時間の適用除外とされており、延長できる時間に制限がありません。
その代わり、『自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(以下、「改善基準告示」)』が策定されています。
なお、この「改善基準告示」が対象とする「自動車運転者」とは、「四輪以上の自動車運転を主な業務とする労働者」をいいます。
従って、運送を事業とする、しないにかかわらず、全産業に適用され、運転業務に主に従事する労働者であれば、「改善基準告示」が適用されます。
例えば、製造業の製品運搬用トラックの運転者、販売業における配達部門の運転者、旅館業の送迎用バスの運転者など、運送事業以外の事業に使用される自動車運転者についても「改善基準告示」は適用されますので、注意が必要です。
反対に、職種が「運転者」であっても「月に数回しか乗務しない」「営業員が営業に自動車を利用する」「クレーン車のオペレータが移動のため路上を走行する場合」等は対象外となります。
また、バイク便のライダーも対象となりません。