未払い賃金問題/我が社の取り組み
物流ウィークリー(10月4日発行)に、先日のセミナーの内容が掲載されました。
特定社会保険労務士の松本千賀子氏(オフィス松本、東京都千代田区)は、未払い賃金対策のポイントとして、『発生させない』『請求されない』『訴訟後の波及を最小限にする』の三つを挙げる。
『発生させない』ための大原則は、「労働時間管理を正しく行い、時間外や休日、深夜の割増賃金をきちんと支払うこと」だが、「実態に合わない就業規則が未払い賃金を発生させていることも多く、まずは就業規則を見直すべき」と提案する。
また、「最低賃金をクリアしているか確認すること」もポイントで、「特に歩合給制や家族手当などの福利厚生的な手当が多い場合は注意が必要」という。なお、万が一を考え、「訴訟時に反論できる資料を保存しておくこと」とする。
「退職後に請求する人が多いため、退職率を上げないこと」が『請求されない』ための原則とし、「会社に恨みを持ったまま辞めさせない」ことも重要とする。「弁護士や司法書士などに依頼すれば多額の費用がかかる。費用をかけてまで・・・と、請求を躊躇するか否かは大きなポイントになる」という。
訴訟を起こされてしまった場合は、「迅速に手を打ち、波及を最小限に抑えるべき」。「対応に時間をかけると、アドバイスをする人が出てきてこじれるケースが多い」。また、「他の従業員や過去の退職者からも請求されるなど波及することも」。さらに、「同額の付加金の支払いを命じられることもある。付加金は会社への制裁的なものなので、誠意をもって対応することが大事」という。
松本氏は、「対策の基本は、労働時間の短縮」とし、「毎日の作業を見直し、どうすれば効率よくできるか『知恵』を出すことがいま求められている」と語る。(大西友洋)
by office-matsumoto | 2010-10-04