節電熱中症
『節電熱中症』という言葉があるそうです。
少し前まで、節電が言われ、エアコンも控えめに!と言われていましたが、梅雨からの猛暑で、全国では熱中症で緊急搬送された人が 7000人近くにもなり、昨年の約3倍にもなっています。更に死者も出ているようです。
本格的な節電が言われるなか、エアコンの使用を控えるのは仕方がありませんが、度が過ぎた我慢をするのは危険です。
熱中症は、高齢者や子供たちに多いです。
高齢者は、喉の渇きを感じにくく、体温の変化にも気付きにくい。また、夜など水分を控えめにして寝る傾向があります。
子どもは、屋外で元気に活動しているうちに、体調の変化に気づかず熱中症になることがあり、これも注意が必要です。
熱中症の予防
私たちは、体温が42度以上になると細胞が壊れてしまい、生命が維持できません。
そこで、体温が38度以上にならないように、汗を出すことにより体温を調整しますが、汗で水分や塩分が過度に失われると熱中症になります。
熱中症は、次の4つにわけることができます。
- (1)熱失神、熱虚脱
水分の不足は脳への血流不足となり、めまい、吐き気、頭痛、ふらつき、眠気などの症状を引き起こします。
顔が赤く火照ったようになって判断や動作が鈍くなります。 - (2)熱けいれん
大量に汗をかいたとき、水分だけ補給して塩分(ナトリウム)を補給しないと、塩分不足により筋肉のけいれんを引き起こします。 - (3)熱疲はい、熱疲へい
慢性的に体内の水分が不足して、消化官の機能低下により食欲不振が生じ、筋力の低下から疲れやすい状態が続きます。 - (4)熱射病
体温が40度に達すると、脳(視床下部)の体温中枢がマヒして、発汗が止まり、意識も低下して全身のけいれんを生じます。気づかないと死に至る危険な状態です。
これらの症状は徐々に現れるのではなく、いつのまにか体温が上がり、熱射病になって突然、意識を失うことがあります。
熱中症の予防は、こまめに水分と塩分を補給することです。
特に、作業開始前から20分ごとに150mlずつ、塩分を含んだスポーツ飲料等を計画的に取ると良いでしょう。
以上、『月刊総務』8月号寄稿「ドライバーの健康管理」より抜粋しました。
by office-matsumoto | 2011-07-12