「自動車運送事業に係る交通事故要因分析報告書」
国道交通省が、平成21年度の「自動車運送事業に係る交通事故要因分析報告書」を、公表しました。
報告書は次の3分冊で構成されています。
■第1分冊 「事業用自動車の交通事故の傾向」から。
(1)事業用自動車における交通事故の件数・死者数は、高止まり傾向から減少に転じる。
(2)トラックの飲酒運転による事故は減少傾向ではあるものの減り方が鈍い。
■第2分冊 「事業用自動車の運転手の健康管理マニュアル」から
健康管理マニュアルには、既往歴・治療中の従業員に対する乗務前の健康確認事項が疾病ごとに具体的に記載されています。
イラスト豊富なマニュアルの手元利用版「運行管理者用」「運転者用」を、ダウンロードして活用されることをお勧めします。
事業用自動車の運転手の健康管理に係るマニュアル(pdfファイル)
■第3分冊 「社会的影響の大きい重大事故の要因分析」から
事故報告のあった事故から、16事例について分析しています。このうち5事例の事故の要因が「過労運転」です。
なお、トラック4事例の分析結果は次の通りです。
【事例1】事故3日前・2日前は休日であったが、他の運送会社にて運転業務。事故前日
は改善基準告示違反(拘束時間・休息時間)。過労状態となり、居眠り運転。
なお、運行管理者は遅刻した為、点呼は未実施であった。
【事例2】事故前日夜23時まで飲酒。点呼を受けず午前4時30分出庫。飲酒による注意
力および判断力が低下し、運転中にボールペンを探すという危険行為を行う。
【事例3】眠気を感じたが、休憩をとらずに運行を続けた。事故当時、オートクルーズコ
ントロールを使用し、居眠り運転状態であった。連続運転時間違反あり。
【事例4】事故当日の9日前から自宅に帰らず、連続して運行し車内で寝泊まりを繰返す。
事故前日の未明からの昼夜を問わない運行で1日半の走行距離1200キロ。
事故時、相当な過労状態であったと推定できる。
従業員に、「プロドライバー」の自覚を持たせる取組が必要です。
by office-matsumoto | 2010-07-27