おふぃま新聞 12月号
12月のおふぃま新聞は以下の内容でお送りします。
1.ストレスチェックの実施義務が50人未満事業場にも拡大へ
11月6日に開催された労働政策審議会安全衛生分科会に、50人未満事業場へのストレスチェック実施を義務化する案が示され、概ね了承されました。案では、実施結果の監督署への報告義務は課さない、また、50人以上の事業場における実施内容を一律に求めることは困難として、国が現実的で実効性のある実施体制・実施方法についてのマニュアルを作成する、との方向性が示されています。このほか、支援体制の整備等のため、施行までに十分な準備期間を設けるともされています。
【厚生労働省「第170回労働政策審議会安全衛生分科会(資料)」】
2.新法施行前のフリーランス取引状況 〜公正取引委員会・厚生労働省の実態調査結果より
公正取引委員会と厚生労働省が共同で行った調査によると、フリーランス法の内容をよく知らないと回答した委託者は54.5%、フリーランスは76.3%と、双方ともに認知度が低い結果が出ています。業種でみると、いずれも、建設業と医療、福祉での認知度の低さが目立ちます。報酬の額について十分な協議がなされていない割合として、委託者22.2%、フリーランス67.1%と大きく差がついており、フリーランスの不満の声が多く寄せられています。法施行前のフリーランスの労働環境は、生活が不安定になるリスクが多く、不満が募る状態となっていたことがわかります。新法の施行により、これらの問題が改善されることが期待されます。
【公正取引委員会・厚生労働省「フリーランス取引の状況についての実態調査(法施行前の状況調査)結果」(PDFが開きます)】
3.最低賃金の引上げと企業対応 〜労働政策研究・研修機構「最低賃金の引上げと企業行動に関する調査」より
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)の2022年度の調査によると、最低賃金の引上げに対処するために、経営面や雇用・賃金面で取り組んだことがあったか尋ねたところ、「取り組んだことがあった」との割合は30.7%となっています。具体的な取組内容(複数回答)は、「賃金の引上げ(正社員)」が最も多く、次いで「製品・サービスの価格・料金の引上げ」「人件費以外の諸経費のコスト削減」などが挙げられました。
【(独)労働政策研究・研修機構「最低賃金の引上げと企業行動に関する調査」結果」】
4.改正育児・介護休業法Q&Aが公表されました
厚生労働省が「令和6年改正育児・介護休業法に関するQ&A(令和6年11月1日時点)」を公表しました。なかでも、多くの方が悩んでいると考えられる「子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充」については、適切な対応をするための助けとなる回答が多く示されています。
【厚生労働省「令和6年改正育児・介護休業法に関するQ&A(令和6年 11 月1日時点)」(PDFが開きます)】
5.令和7年4月1日から高年齢雇用継続給付の支給率が変更されます
厚生労働省は、「雇用保険法等の一部を改正する法律」(令和2年法律第14号)の施行に伴う、令和7年4月1日からの高年齢雇用継続給付の支給率の変更について、リーフレット等を公開しました。リーフレットには、支給率の早見表なども掲載されています。高年齢雇用継続給付を受給予定の方、申請予定の事業主の方は、確認しておくとよいでしょう。
【厚生労働省「令和7年4月1日から高年齢雇用継続給付の支給率を変更します」】
6.立ち作業の負担軽減対策
まず、労働安全衛生規則615条では、就業中にしばしば座ることのできる機会のあるときには椅子の備え付けを事業者に義務付けています。
「(立業のためのいす)第615条 事業者は、持続的立業に従事する労働者が就業中しばしばすわることのできる機会のあるときは、当該労働者が利用することのできるいすを備えなければならない。」
厚生労働省のホームページに、小売業、警備業、その他事業と産業ごとに各企業での「立ち作業の負担軽減対策の取組事例紹介」がされています。
【厚生労働省「立ち作業の負担軽減対策の取組事例紹介」】
コラム
新人に仕事を教えるときに、「なんでできないの?」「何度言ったらわかるの?」とイラっとすることはありませんか。
それを言葉に出すとパワハラになると思うと、注意をすること躊躇してしまい不機嫌な態度で周囲に怒りの感情をわかってもらおうとします。
これを「不機嫌ハラスメント=フキハラ」というそうです。
舌打ち、睨む、ため息、八つ当たり、わざと大きな音を立てる、話しかけても返事をしない・・・
こうやって書いていくと大人げない行動だと思いますが、職場に一人はいそうな気がします。
たいていの場合は機嫌が悪いなぁとそっとしておけば自然に機嫌は直ります。
しかし、不機嫌を周りにアピールし、自分の感情を察することを求め、機嫌を直すことまで要求するようになると、これはハラスメントです。
もし、自分が理解されていないと感じることがあったら、自分の気持ちや考えをわかってもらう努力をしているか、相手に察することを求めていないかと振り返ってほしいと思います。
by office-matsumoto | 2024-12-01